活用例 · 4 分で読めます
テキストストーリー:テキストアドベンチャーを書く
Pominis のテキストストーリーの使い方。選択肢のある文章のページ、夜モードと文字サイズを選べるリーダー、必要なところだけの挿絵、そして選ぶべき場面を解説します。

インタラクティブストーリーのすべての画面に絵が必要なわけではありません。テキストストーリーは Pominis の五つ目の作成形式で、文章で語るインタラクティブ小説のためのものです。読者は一度に一ページを読み、読み終えたら選びます。開始パラメータでの説明は「インタラクティブ小説のように1ページずつ読んで選びます。場面に画像は不要で、大事な場面には挿絵を付けられます。」です。
例は架空の短編テキストアドベンチャー『潮の家』です。海辺にある叔母の家に戻った女性が、去年の冬にはなかった扉を階段の途中に見つけます。
開始パラメータで「テキストストーリー」を選ぶ
いつもどおり VN Studio でプロジェクトを始め、最初のメッセージに設定を書きます。生成の前にエージェントが開始パラメータを示すので、「作成形式」で「テキストストーリー」を選びます。長さやフロー構成の決め方はほかの形式と同じです。その後エージェントは文章のページを書いていきます。二〜四文ほどの段落の地の文が中心で、必要に応じて台詞が入り、一ページはおよそ四〜十行、物語の分かれ目に選択肢が置かれます。
『潮の家』なら、最初のメッセージはたとえばこうです。「二人称のテキストアドベンチャー。あなたは海辺の叔母の家に戻り、去年の冬にはなかった扉を階段の途中に見つける。全三章。最初の選択は、ノックするか、上の階へ戻るか。静かで少し不思議な雰囲気で。今は絵なしで。」
テキストストーリーで省くもの、残すもの
テキストのページには、画像、立ち絵、音楽、効果音、動きは必要ありません。頼まない限り、エージェントもそれらを作りません。キャラクターも任意で、地の文だけで語り切る物語にもできます。そのため最初の下書きは早くでき、直すのも手軽です。ページを書き直しても、そのために作った絵が無駄になることがないからです。
構造はほかの Pominis の物語と同じです。ページはルートとしてつながり、選択肢はそれまでの行動によって変えられ、章やエンディングもいつもどおり使えます。キャンバスにはすべてのページが並ぶので、分岐の行き先を確かめ、どのページでも開いて編集できます。
読み心地
- 一つのシーンが一ページ。新しいページはいつも先頭から始まり、本のページをめくる感覚です。
- 初期設定は夜の読書モード。明るいページで読みたい人は、夜と昼の表示を切り替えられます。
- 文字サイズは三段階で、A− と A+ のボタンで変えられます。
- 選択肢には番号が付き、数字キーでも選べます。選択肢のないページは Enter キーか右矢印キーで先へ進みます。
- リーダーには履歴とセーブがあり、読み返したり、あとで同じページに戻ったりできます。
- 各章の最初のページには章の見出しが、画面上部には物語のタイトルが表示されます。
キャラクターが話すとき、リーダーは続けて話す台詞のまとまりごとに一度だけ話者名を出し、話者ごとに決まった色を使います。立ち絵がなくても会話を追いやすくなっています。
挿絵は効果のある場面だけに
文章ができあがると、エージェントはいくつかの大事な場面、ふつうは二〜五か所に挿絵を付けることを提案します。世界を初めて目にする場面、転換点、エンディングなどで、それぞれに一行の理由が添えられます。画像はクレジットを使うので、生成の前に必ず確認があります。主要なキャラクターが写る挿絵(先に立ち絵を作り、その費用も見積もりに含まれます)か、場所、物、手元、シルエットだけを描く場面のみの挿絵(こちらのほうが安価です)かを選べます。
『潮の家』なら、階段の扉には場面のみの挿絵が合います。枠に沿って白く乾いた塩の跡があり、人の姿はありません。叔母の顔を決めてしまわずに、読者に一枚の確かな像を渡せます。挿絵はそのページの上部に表示され、前後のページは文章のままです。冒頭のページに挿絵を付けると、その絵が物語のカバーにもなります。
テキストストーリーを公開する
テキストストーリーは、絵が一枚もなくても公開できます。ほかの形式では、すべてのシーンに画像がそろうまで公開や限定公開ができませんが、テキストのページはその対象外です。ただし、最初から最後まで遊べる物語であることは必要です。公開する前に、ビジュアルノベルと同じように下書きのすべてのルートを遊んでください。
テキストストーリーか、ビジュアルノベルか
- 文章の語り口そのものが魅力のとき、場所を絵で見せるより想像に任せたいとき、絵にクレジットを使う前に分岐を素早く書いて何度も直したいときは、「テキストストーリー」を選びます。
- プレイヤーが場所や顔、表情を見る必要があり、シーンの絵が文章では説明しきれない情報を担うときは、「クラシックインタラクティブ」を選びます。
- 物語がすでに Twine にあるなら、打ち直す必要はありません。インポートした Twine のストーリーはテキストストーリーになります。
テキストの下書きは、分岐のアイデアを試すのにも向いています。選択肢が文章で成り立つなら、絵を付けてもたいてい成り立ちます。成り立たないなら、絵で救うことはできません。


