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ビジュアルノベルの脚本の書き方
実際のサンプルで見るビジュアルノベルの脚本形式。話者、表情、ト書き、選択肢の書き方と、シーンの整理、ルートの見直し方を紹介します。

ビジュアルノベルの脚本は、絵を足した映画の脚本ではありません。どの台詞もテキストボックスの中で、背景の上に、場面の途中で表情が変わるキャラクターの横で読まれます。そして台詞の一部は選択肢で終わり、読者を別の場所へ送り出します。脚本は、そのすべてを自分にもツールにも読める形で運ばなければなりません。
この記事では、架空の場面を一つ通して使います。最終列車の発車数分前の駅員アイコと、車内の乗客が危ないと告げる見知らぬ人物です。
使い回せるビジュアルノベルの脚本形式
公式に決まった形式はありません。大事なのは、情報の種類ごとに一貫した形を持たせることです。そうすれば、読む人も、共同作業者も、脚本を翻案する AI も、ある行が台詞なのか、ト書きなのか、分岐なのかを推測せずに済みます。この場面をその形で書くと次のようになります。
シーン 3 — 4番ホーム、23:52 [背景:無人のホーム、屋根に雨、発車標は 23:55] [音楽:低い弦楽器、シーン 2 から継続] ナレーション:ドアはまだ開いている。車掌はもう腕時計を見ている。 アイコ(緊張):車内の誰かが危ないって言いましたよね。誰ですか? 見知らぬ人(目を合わせずに):六号車の女性です。本人はまだ知りません。 車掌(画面外から):あと三十秒だ、アイコ! 選択肢 > 列車を止めて六号車を確認する -> シーン 4A [車掌の信頼 -1] > 発車させて次の駅に連絡する -> シーン 4B [見知らぬ人が去る]
- シーン見出し:番号、場所、時刻。選択肢が指すのはこの番号です。
- かっこ内の指示:背景、音楽、効果音。行ごとではなく、変わるときに一度だけ書きます。
- 話者の行:名前(表情):台詞。表情は、どの立ち絵を出すかを絵師やツールに伝えます。
- ナレーション:独立した話者として扱い、キャラクターの声と混ざらないようにします。
- 選択肢ブロック:選択肢を一行ずつ書き、行き先と、かっこ内にそれが何を変えるかを添えます。

台詞を磨く前にシーンを整理する
全文を書く前に、各シーンに短いカードを作ります。目的、場所、登場人物、読者が知ること、そしてどこへつながるか。ホームの場面なら、カードは「アイコは警告が実在の乗客を指していると知る。車掌は定刻に出たい。4A か 4B へ」です。カードをつないでルートマップにしましょう。行き止まり、情報を繰り返すだけのシーン、何も変えない分岐は、四十ページの台詞の中よりもマップの上のほうがずっと見つけやすくなります。
テキストボックスのために書く
読者は一度に一行ずつ読むので、一行が一つの拍になります。ほとんどの台詞は一文か二文にとどめ、長い台詞は話し手が間を置くところや表情が変わるところで区切り、言葉がしなくていい仕事は立ち絵に任せましょう。「アイコ(緊張)」に続く短い問いかけは、彼女の緊張を説明する一段落よりも速く読め、強く届きます。
ト書きはナレーションではなく、かっこの中に書きます。「[効果音:ドアが閉まり始める]」は制作側に何が起きるかを伝えますが、「ドアが閉まり始める」というナレーションは読者に読ませることになります。ナレーションは、考え、記憶、時間の流れといった、文章にしかできないことに使いましょう。
選択肢は行き先付きの行動として書く
選択肢の一行一行は、主人公がすることであり、クリックする前に読んで分かるものにします。「待つ」や「はい」ではなく、「列車を止めて六号車を確認する」です。行き先も最初から横に書いておきましょう。行き先のない選択肢は、脚本を組み立てられないいちばんよくある原因です。そして、信頼、手がかり、失った味方など、それが何を変えるかをかっこ内に書いておくことが、後のシーンをその選択に正直に保ちます。
観点ごとに見直す
- 構成:選択肢が指すシーン番号がすべて存在し、どのシーンにも到達できる。
- 声:一人のキャラクターの台詞を続けて読み、同じ人物に聞こえるか確かめる。
- 一貫性:名前、小道具、時刻、誰が何を知っているかがルートをまたいでそろっている。
- 演出:背景と音楽は、シーンが必要とするときだけ変わる。
- プレイ:初めての読者が、何を選び、なぜ次の場面になったかを説明できる。
Pominis で脚本をプレイ可能なシーンにする
脚本がすでにあるなら、TXT、Markdown、PDF、DOCX で VN Studio にアップロードし、「忠実な翻案」を選びましょう。あなたの台詞が物語の原文になります。その流れは、脚本をビジュアルノベルにするガイドで詳しく紹介しています。
VN Studio の中で、脚本は三つの場所にあります。キャンバスのシーンボードには、各シーンとその選択肢、行き先が表示されます。シーンエディターの「台詞」セクションでは台詞の追加、挿入、並べ替え、削除ができ、「AI で台詞を書き直す」を使えば「もっと抑えた感じに」のようなメモからシーンを書き直せます。「下書きをプレイ」は結果をプレイヤーで再生し、テンポの問題はそこで見つかります。Pominis には別に「スクリプトエディタ」もあります。AI スクリプトアシスタントとバージョン履歴を備えたテキストエディターで、VN Studio に持ち込む前の文章を書くのに便利ですが、それ自体がシーンを組み立てるわけではありません。


